つい先日、伊勢崎で日本の気象観測史上もっとも暑い41.8℃が記録された。
日本各地で40℃を超える日が多発している2025年の夏。2024年の厚労省による統計では6〜9月の四ヶ月間で2033人が熱中症で亡くなられていることを前提にすると、今年はさらに多くの方が犠牲になると推測できます。
6月には、僕(@kazuaki_TANI)が推している西武ライオンズのエース今井達也が2回表で突然ふらつきそのままベンチへ下がってしまった。原因は熱中症で、気温よりもベルーナドームの湿度の高さが原因だったと言われています。エアコンがなくたっぷり汗がかけるベルーナドームは野球が観れるサウナと揶揄されるくらい暑い。
エースが熱中症になったことで、その後のチーム成績は下降線を辿ってしまい、首位と2.5ゲーム差の2位からこの記事を書いている現時点で18.5ゲーム差となってしまいました。
ファンとしてはトホホ…な気持ちです。

元々は屋根がない球場でしたが、1999年に現施設を改築してドーム球場になったのです。
設計と施工は鹿島建設。天下のゼネコンが屋根を設けることで空気がこもり、選手が熱中症になるような環境を考慮できなかったのか?と思って調べてみました。気象庁のデータによると1999年は冷夏だったとはいえ、ベルーナドームがある所沢の8月は、34℃を超えた日が2日だけ。あとの日は27〜32℃で最高気温が推移しています。
つまり、現在よりも5℃も気温が低かったことになるから屋根をつけても快適に野球観戦ができました。当時は、平成の怪物と呼ばれた松坂大輔選手がデビューをした年で、僕自身もプロ野球ファンの友人に誘われて何度も現地観戦をしたのです。
屋根がかかって日陰になったことで、快適に松坂大輔とイチローの対決を外野芝生席で観た記憶があります。それだけ、今現在とは気候まったく違ったのでした。

僕が仕事をしている場所は木と川があるので街よりは涼しい。
SNSでサウナドームと揶揄されるようになったのはここ6〜7年のこと。その間、ほとんど対策を行わなかった西武HD(ホールディングス)も怠慢でしかありませんが(ファンの愚痴ということでご容赦を)、地球環境が急速に変化しているのも事実。地球温暖化という言葉は、1990年代から世に広まりました。原因とされるのは僕たち人間の活動です。
・森林伐採
・自動車、発電所、工場、都市部からのCO2の排出
・肉食量増加と畜産によるメタンガスの放出
・コンクリート建物とアスファルトの増加
などが主な原因とされています。つまり、この猛暑は「人災」であることをまずは理解しないといけません。僕たち人間が便利さとお金を求めた結果が今年の猛暑なのだから、自分の首を自分で絞めていると言っていいでしょう。
今年はさらに、ラニーニャ現象と太平洋高気圧の張り出しが重なったことが、猛暑の要因となっています。これについては地球の自然現象ですが、人為的な温暖化によってラニーニャ現象が起こりやすくなっているということです。
と、ここまでが一般的な温暖化説となります。

千葉県いすみ市の海岸沿いは内陸部が38℃でも34℃程度で過ごしやすい場所。
地球の人口が急激に増え、工業化と都市化、自動車と肉食の増加が主な原因ですが、個人的に考えてもその通りだと思います。さらに深く原因を考えると、僕たち人間の無知と欲によって地球の環境が大きくバランスを崩し、温暖化は加速しているのがこの夏の猛暑です。
パリ協定や京都議定書といった温暖化を改善するための国際的な活動はありますが、僕たち市民の意識と行動が変わらない限り、猛暑が収束することはありません。むしろ、年々暑くなって伊勢崎の41.8℃が当たり前になる可能性すらあると気象学者たちは予想しています。しかし、街には渋滞するほどの自動車が走り、無数のネオンライトが灯り、家庭でも数えきれないほどの電化製品があるのが現状です。僕たちが、暮らしを楽しむことには何の問題もありませんが、大企業主体によるムリ、ムダがあまりにも多く思います。
そもそもの消費活動(モノを買う、電気ガスを使う)と豊かさの価値観を見直す必要がある。大量生産→大量消費がベースとなっている経済至上主義の枠組みから、個人レベルで脱却をしていかなければならない局面に来ていると僕は考えています。
大多数の専門家が、この猛暑は「人間の経済活動」が原因と言っているのだから、その経済活動そのものを変えない限り、猛暑で苦しむ夏が毎年毎年やってくるのです。40℃が当たり前の夏を避けたければ、意識と行動を変える以外の選択肢はないでしょう。

これだけの猛暑でも真夏日がない勝浦周辺で行ったお店。
高気密住宅の大きな矛盾を理解しよう。
さてさて、住宅業界も政府による温暖化対策が積極的に推し進められています。
カーボンニュートラル*の目標達成のために、国土交通省によって設定された省エネ基準は主に気密・断熱の性能。具体的には、断熱等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上が2025年4月以降は義務化されました。したがって、住宅会社は規模の大小に関わらず、国が定めた基準をクリアする必要があるわけです。
要はエアコンの効きが良くて、電気の使用量を節約できる家が基本となります。
*温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体として排出量を実質ゼロにすること。地球温暖化対策として、世界中で2050年までの達成を目指す目標として掲げられている。
高気密住宅というは、小さな隙間をふさいだり、熱の影響(流入・放出)を抑える建材を使って室内外を密閉した家のこと。ちなみにIZANAGIでは省エネ性能だけでなく、軒(のき)を出して太陽光を遮ったり、窓の配置や大きさを工夫して冬の彩光(太陽光を取り入れること)によって可能な限りエアコンに頼らない設計を推奨しています。
本題に戻しますと、
住宅の省エネ基準は、確かにエアコンの効率を劇的に高め、消費電力とCO₂排出を抑えることに成功しました。けれど、その陰でほとんど語られないのは、エアコン以外の家電は依然として「青天井」で使い放題だという現実です。
便利さの裏返しとして家中、コンセントと照明だらけで、住宅会社も無制限に提案します。
つまり、ふつうの住宅会社には温暖化対策の意識はほぼありません。
人々の意識も、ほんの少しの節電レベルで止まっていて、電力を自由に消費するという感覚は何も変わっていない。ゼロカーボンとか環境改善とかいう言葉は飛び交うけれど、実際の生活感覚にはまったく落とし込まれていない。つまり、省エネ基準は本質的な環境意識としての進歩にはつながっていないのが現実です。そこに、国交省の省エネ基準が抱える欠陥、あるいは根本的な「穴」があるように思えてなりません。
テクノロジーの進歩によって自動車や家電のエネルギーの消費量は減少しております。
しかし、市民ひとり一人の意識が変わりませんから、その結果、社会全体が温暖化対策よりも経済が優先され、森林伐採は止まらず、食肉消費量も減少(横ばい)せず、環境破壊と温暖化が進行しているのです。皆が暑い、暑いと汗をかきながら、その原因となっている行動を変えようとはしないのが今現在の日本という国です。

勝浦で食べた極太なところてん。
それから、高気密住宅が抱える重大な欠陥をもうひとつが空気汚染です。
一般的な住宅で使われているビニールクロスやフローリング、合板などは工場で量産できるためコスト的なメリットはある一方で、ホルムアルデヒドやVOC、可塑剤などの有害化学物質が含まれています。それらが、空気中に揮発することで健康被害を及ぼすために、建築基準ではそれらの使用量を制限したのがF⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎です。
ところが、実際の新築現場(引き渡し直前の物件)に入ると、換気扇が回っているにも関わらず鼻につく臭いがする。
それらは、新築の臭いとして「いずれ消えます」「国の最高基準だから健康に影響はありません」と説明されます。ところが、僕のような鈍感な体質でも5分もいないうちに頭が締め付けられるような感覚になり、呼吸が浅くなっていく..
(依頼された仕事で大手ハウスメーカーの物件にお邪魔する機会がありました。)
F⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎なのに24時間換気が義務なのは、健康被害があると国が認めているからです。
魔法瓶のように密閉された高気密住宅は、僕個人的の感覚ではどんなにオシャレでも豪華でも快適とは程遠い空間です。化学物質に過敏な人であれば尚更です。解決策としては簡単で、住空間の殆どを占める壁と床には、クロスやフローリング材を使わずに天然の漆喰や珪藻土、無垢材を使うことでおよその対策は可能です。
快適性の本質が「空氣の質」であることは間違いありません。
国が定めた基準値を満たしているから大丈夫、という幻想はいちど横において、実際にご自身の五感で体験をすることをオススメします。クロスとフローリングの家、自然素材の家のどちらにも足を運んで、居心地が良い方をご自身で選択することが大切です。
ポイントは3つです。
・環境への意識を改めなければ猛暑はさらに猛暑になる。
・省エネ性能が高い家=快適ではないということを理解する。
・自分の五感で実際の空間を体験して居心地の良さを味わう。
だいぶ長くなりましたが、とにかくこの猛暑によって推しのチームが低迷しています。今後、首位争いをするためにも温暖化に関する内容は熱く語ってしまうことをご容赦ください。
まだまだ書きたいことはありますが、今日はこの辺で!






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