代表挨拶

はじまりの言葉 その壱

窪田純一,izanagi,健康住宅,群馬

IZANAGI 代表 窪田 純一

生まれてから元氣そのもので生きてきたが、住宅業界に携わるなか、自身の体調不良が電磁波由来と診断される。この出来事を契機に、人にも地球にもやさしい健全な住環境の探求をスタート。自然素材の力と身体感覚に立脚した、新しい住宅のかたちを提案している。

趣味は、読売巨人軍の応援と蕎麦の食べ歩き。グルテンフリーを始めてからは、花粉症も治り健康度が増している。

住宅業界に身を置いて25年、多くの家づくりに関わってきました。
けれど、その歩みの中で、心の奥に小さな違和感が残り続けていたのです。

経済的効率や利便性ばかりが優先される家づくり。
図面どおりに完成しても、そこに心の奥底からの安らぎはあるのか。
資源を消費し続ける社会構造の中で、環境への負荷を見て見ぬふりしていないか。

いつからか私たちは、「幸福に生きるために働く」のではなく、
「社会経済の歯車として働かされている」ような感覚に囚われるようになりました。
SNSやメディアには、企業や誰かの都合で塗り固められた情報が溢れ、
人々は自分で思考すること止め、無自覚のまま大勢に流されていく。

そんな社会のあり方に、私たちは強い疑問をもちました。
だからこそ、まずは自分たちの立ち位置を変えることにしたのです。

建築というフィールドから、人の暮らしや生き方そのものを見つめ直し、
「本来の健やかさ」を取り戻すためにできることを問い続けた結果、
たどり着いたのが〈IZANAGI〉という場です。

私たちのスタンスは、一般的な「売る」「買う」の仕組みから距離を取りました。
広告や販促資料のイメージでお客様を(思考停止させて)誘導させるのではなく、
実際に空間を体験していただき、その場で五感がどう感じるか、身体の声と心に耳を傾けたうえで、
「本当に必要なものは何か」を、ご自身でしっかり考えていただくことを大切にしています。

他社と比較して選ぶのではなく、
家の本質に共感してくださる方との出会いを、何よりも重視しています。
これは、私たちが提案する「家づくり」という体験を通して、
ひとり一人の人生にとって本当に必要な「場所」を見極めるためのプロセスです。

自然の摂理に学び、真に価値あるものを選ぶこと。
素材の本質と、未来を見据えた技術を融合させること。
呼吸が深まり、感覚が整い、自分自身と響き合う空間をつくること。

それは、ただの家づくりではありません。
人生の質を根本から変えていく試みであり、
この星で生きる一人の人間としての責任でもあります。

IZANAGIがめざすのは、
地球基準の住まいを通して、暮らしを静かに「手なおし」していくこと。
今を生きる私たち、そして未来を生きる子どもたちが、
心から自由に、豊かに生きていける土壌を整えることです。

あなたの人生が内側から満たされ、真の幸福へと歩んでいくために。
その一歩を、ともにかたちにしていけたら嬉しく思います。

追伸、ここに辿り着くまでのご縁と学びをいただいた愛工房の伊藤社長、越木岩大和住宅の細川社長、KAIKENの浦上会長、浦上社長に深く感謝いたします。

はじまりの言葉 その弍

IZANAGI 企画・広報 谷 和晃

幼少の頃から病気知らずだったが、20代の不摂生がたたり、ある日突然、呼吸困難になったことでベジタリアンになるとすぐに回復。以来20年近く、医者も薬も不要な日々を送る。一般常識の枠外に本当の価値があるのではないのか?そんな疑問からIZANAGIが生まれた。

好きな食べものは大福とビリヤニ。諸国一宮神社とインドの寺院巡りと瞑想が趣味、西武ライオンズの応援をしている。

今からおよそ20年ほど前。当時、僕は注文住宅の営業マンとして働いていた。数字だけを追いかけ、成績はそれなりに残していたけれど、なぜか心が満たされなかった。「このままで本当にいいのか?」と何かが囁きはじめていた時期だった。

そんなとき、後のIZANAGI代表となる窪田さんと出会う。圧倒的な仕事をこなしながらも、人としての在り方を真っ直ぐに貫いている稀有な人物で、その姿勢に衝撃が走った。それまでの僕は「どう生きるか」ではなく他人の価値観に振り回されて、「どう見せるか」だけを考えていたことに気づかされ、それからは自分の内側に意識を向けるようになった。

気づけば仕事を辞めて、インドに渡っていた。

ガンジス川で沐浴をし、チャイをすすりながら、街の喧騒のなかで思い込みを手放していく日々。今まで身につけてきた常識は、インドではまったく通用しない。時間も論理も、すべてがあいまいで、流動的で、けれどこの国には古から伝わる真理が息づいていた。偉大な聖者と不思議な予言書との出会いによって人生観というより、宇宙観までアップデートされていく。

帰国後は、ウェブの世界で食のインフルエンサーとして活動しながら、自然と共に暮らす術を深めていった。そしてふたたび、元の上司であった窪田さんと共に仕事をするようになる。どうやら何か大きなテーマを一緒にやる縁がある、そう僕の奥深くから声が聞こえたのです。

そうして生まれたのが、《IZANAGI》

いまの住宅業界は、国の定める高気密・高断熱・高耐震という数値目標を追うあまり、人が幸福に暮らすための大切な何かを見失っているように感じる。性能はもちろん大事。でも、そこにしか目を向けない家づくりは、不健全だし面白くない。数字の安心より、空氣の質、太陽と影、漆喰の肌ざわり、そして木の声に耳を澄ませること。それらの感覚が、身体と心を癒やし、時代の荒波を力強く生きていくためのエネルギーをチャージできる。

何十年も暮らす我が家を、大量生産の価値観や誰かが決めた数値基準だけでつくるなんて、広告やイメージ戦略によって核心から見事に逸らされている気がしてならない。たかがここ数年で登場した最新といわれる工業技術を、何の疑いもなく最上と信じ込んでしまうなんて、本当にもったいない。

国の基準はクリアして然るべきもの。その先にある、人間がつくった叡智レベルの技術と、自然界が長い時間をかけて育んできた本物を見抜く感性と見識が大切だと思う。そんな価値観に共感してくれる人が増えているのも事実。

でも、家だけじゃダメなんですよね。

どれだけ素晴らしい住環境が整っていても、それを受け取る人のマインドが歪んでいたら、台無しになる。IZANAGIでは、質も大切にするけれど、もっと大切なのは在り方。毎日の出来事をどう受け取るか。感情に飲み込まれず、欲に振り回されず、ただ静かに「いま」に在ること。そんなふうにして暮らす人のそばで、家も、食も、環境も生きてくる。

僕たちは家をつくっているんじゃない。生命と調和する場所を、かたちにしている。ちょっとスピリチュアルに聞こえるって? いいんです、人生はそもそもが幻なんだし、今この瞬間に感じることだけが唯一のリアルなのだから。

まだ言い足りない気もしますが、今日はこの辺で。

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