地球基準 01「空氣の質をデザインする」
私たちが生まれてから魂が肉体を離れるまで、無意識のうちにくり返している「呼吸」は、生命がこの自然界と結ばれているしるし。それは、1日におよそ2万回も肺をひらき、空氣を受け入れ、また送り出している。吸い込む量は24時間に1万リットルらしい。そのひとつひとつの呼吸によって「いのち」を更新しつづけている。
けれど、その空氣が汚れていたら?
現代の住まいは、経済の論理と設計効率の都合でつくられた製品であり、人間という生き物の健やかさに対する本質的な配慮が抜け落ちています。人工的なニオイや化学成分がまじった空間で、深く吸い込むたびに、私たちの身体は少しずつ無理をしている。呼吸が浅くなり、心がざわつく。そんな違和感が、いつのまにか麻痺してしまってはいないでしょうか。
真に心地よい呼吸は、深く静かな安心感をもたらします。それは、呼吸を調えることで脳内に分泌される「セロトニン」の働きによるもの。この神経伝達物質が、私たちの心を安定させ、穏やかな喜びへと導いてくれるのです。
IZANAGIの家づくりは、まるで森の中にいるように呼吸が深まる空間をつくること。だからこそ、100%天然の漆喰や音響熟成木材といった、安易な製品に依存しない本物の自然素材にこだわる。それらは空間を清らかに整え、呼吸の質を高めることで、あなたの暮らし、そして人生そのものに静寂と豊かさをもたらしてくれるでしょう。
安らかな呼吸をすることが、快適性と幸福の根源なのです。
IZANAGIが、心と身体を整えることにこだわる理由はシンプル。
家に癒され日々の疲れをほどき、本来のパフォーマンスを取り戻す。そしてまた、外の世界で仕事をして誰かのために力を尽くし、のびやかに自分を表現する。その循環こそが、人生を彩る豊かさだと私たちは信じているからです。

聖域にいるような空氣感に包まれるIZANAGIの家 [image@霧島神宮]
地球基準 02「本物の技術を選択する」
テクノロジーは、人間の叡智の結晶として進化を続けてきました。けれども、それらが暮らしを支える道具であるという本質を見失ったとき、利益優先の論理に呑まれ、効率と便利さだけを追い求める、虚しい存在になってしまう。IZANAGIの建築においては、科学技術を否定することはありません。
むしろ、私たちの快適さや楽しさを支えるための力として、その可能性を信じています。
ただし、その技術が意味を持つのは、自然との調和を壊さず、人が幸福のなかで心地よく生きるためのツールであること。だからこそ私たちは、テクノロジーをただ使うのではなく「どう選ぶか」「どう生かすか」を大切にしています。
「いいもの」を足し算するだけでは、かえってバランスが崩れてしまうもの。私たちは、削ぎ落とすことにも意識を向けて、本当に必要なものだけを残して「ちょうどいい感覚」を設計していきます。
IZANAGIが採用するのは、大手メーカーが生み出す大量生産の機能性ではありません。表に出ることの少ない小さな工房や、数人の職人が手がけるプロダクト。そこには、知名度や利益を超えたところにある「本物の価値」が息づいています。誰かの本氣の思い、ひらめき、良心、そして時間をかけた試行錯誤。
そのすべてが積み重なった先にしか生まれない、特別な技術がこの国には存在します。
水を活性化させたり、電磁波を整える技術、古代叡智であるカタカムナ、ピラミッド構造に宿るエネルギーの活用など、目には見えない領域にまで見識を広げたテクノロジーも取り入れています。
必要なのは、見せかけの進歩ではなく、自然界に対して誠実でありながら、人間にとってやさしい技術。そんな視点から、私たちは一つひとつを選び取り、家づくりのスタンダードを真摯に更新していきます。

長野県中川村の職人イエルカさんの薪ストーブ
地球基準 03「心を癒し人を照らす設計思想」
今、多くの家が数値基準を満たすための設計と工法に偏っている。大手ハウスメーカーも含め、広告のイメージでそれっぽく見せるだけの画一化されたローコスト商品になってしまい、人間の叡智と技の集合体である、本来の建築から遠ざかっているのがこの国の実情です。家を閉じることを前提とした形は、自ずと自然界の恵みをも遮断することになってしまう。
IZANAGIは、ハウスメーカーや一般的な工務店の設計とは、根本的な視点が違います。
「家は、太陽と風を味方につけて、外界とやわらかく呼吸を交わすもの」
家を建てるとき、風の通りを読み、太陽の向きと動きを配慮し、窓に何が映るかを想像する。地形や周囲の環境をじっくりと観察し、様々な観点で植栽や外構のしつらえも含めてアイデアを絞り出す。それは、建築設計としてのごく当たり前の仕事であり、IZANAGIでも大切にしている基本です。
私たちが目指すデザインはその先。この家があることで、自分も周囲も輝くこと。
朝、出かけるとき自分の家を見て氣持ちがあがる。道ゆく誰かがふと見上げたとき「なんだか、いいな」「こんな家に住んでみたいな」と心がパッと晴れて、小さな希望が胸に灯るようなデザイン。自分のためだけでなく、そこを訪れる人、前を通る人、たまたま目にした人の心にも、そっと元氣な波動を届けるような存在感。

設計を担当しているCAWAZ architectのオフィス
そしてもうひとつ。IZANAGIの家には、どこにいても緑がある。
庭の木々が大きな窓の向こうに揺れ、キッチンからは葉の色づきが季節を告げる。玄関にはお気に入りの鉢植えを、寝室には空気を浄化する観葉植物を。たとえ周囲に自然が少ない街中でも、室内にグリーンを効果的に配置することで、日常のすき間に自然とのつながりを感じさせる設計をします。
木々の緑は、心拍や呼吸を安定させ、自律神経を整えるといわれています。揺れる葉や木漏れ日は「1/fゆらぎ」という癒しのリズムを持ち、脳をリラックス状態へ導きます。緑のある暮らしは、ストレスを和らげ心に安らぎをもたらします。
地球と感覚的なつながりを持ことが、慌ただしいこの時代を穏やかに生きるための心得です。
みなさんが気になる性能については、国のガイドラインを満たしつつ、ちゃんと思考を使って、その土地その場所にあったものに最適化する。無駄を省き、必要なものに投資をする。それが建築のプロフェッショナルであり、後世にまで繋いでいきたい、AIにはできない人間ならではの思考の表現。
地球基準には「自然界と響き合いながら、人が魂の充実のなかで生きる空間の設計」という思想が息づいています。