クリアな感覚を取り戻し、心の底まで深呼吸をする。
電気と技術の力によって便利さを追い求めてきた現代の住空間は、内装材や家具から微量に放たれる化学物質や、WiFiやコンセントの電磁波、冷蔵庫や換気扇のモーター音、LEDの光など、ストレスとして知覚しにくいノイズにあふれています。
その状況は、屋外も同じ。つまり、日本全体の空間の質が落ちてしまっている。
けれど、あまりにも日常に溶け込んでいるために、人はそれらを「普通」として受け入れ、いつしか感覚が鈍くなっているのです。ところが実際は、麻痺してしまった感覚の奥で、身体と心は内なる悲鳴を上げている。
気づかぬうちにたまった疲労は、やがてイライラや体調不良となって表面化してくる。
だからこそ、いま改めて考え、問い直したいのです。心地よさとは何か。空間における「快適の基準」とは、本当にそれでいいのかと。人も動物も、本来とても繊細な感覚を持っている。でも、便利をキーワードに普及した電化製品と、大量生産された建材がもつノイズが、気づかぬうちにその感覚を鈍らせている。
それが当たり前になった日常では、心とからだが悲鳴をあげても、気づきにくい。だからこそ、いま必要なのは「自分の感覚を取り戻す」空間づくり。五感がクリアになって、本当に落ち着ける環境に、そっと整えていく。
私たちの社会を支え、便利さを追求して進化してきた大量生産品を否定するわけではありません。むしろ、それらがもたらす恩恵を享受しながら、生活の中に工夫とアイデアを加えることで、ノイズをやわらげ「快適の質」を高めていく。
そうしたバランス感覚こそが、IZANAGIが提案する「空間の最適化」の軸となります。