群馬でも注文が増えている平屋がなぜ見直されたのか考察してみた。

参議院選挙が終わりまして、気になっていた投票率は58.5%ということで18年ぶりの高水準でした。それでも、ざっくりですが5人に3人しか投票をしておらず先進国のなかではもっとも低い数値だそうです。

例えば、スウェーデンの総選挙(2022年)では84%、韓国の大統領選挙(2022年)が77%ですから、日本の有権者の意識がどれだけ低いかが伺えます。ただ、前回と比べると6%も上昇したので、民主主義の根幹である選挙に参加するという義務をまっとうする人が増えただけでも良かったとも言えますが、ここまで社会が行き詰まっていても、日本人全体としてはまだ「ゆとり」があるということでしょうか。

昨今は、お米や生活物資の値段が爆上がりしたことで、このままだとヤバいと感じる人が増えた結果が投票率の上昇だったと思います。

与党が過半数を割り、国民民主と参政が予想以上の議席を獲得しました。

投票者全体で多くの比率を占めている高齢者層の皆さまは、保守的な考えや立場をもっておられた方々が多かったと推測できますし、若い層で投票しなかった人たちも含め、日本全体で生活が苦しくなってきて、ようやく社会の在り方に疑問を持ち、変化を望むようになってきたのだと思います。

プール代わりに高麗川であそぶ地域の子どもたち

群馬でも人気が高まっている平屋について。

さてさて、ここから本題。

僕(@kazuaki_TANI)が、地元の建設会社で注文住宅の営業マンとして魂を削っていた時代、今から20年ほど前は年間で17-18棟の受注をいただいたなかで平屋はゼロ、あって1棟くらいでした。2階建て、小屋裏3階建ての家が主流。年間120棟ほど建てていた会社でしたが、それでも平屋は1棟あるか、2棟あるか程度でした。

どちらかと言えば、ご年配のお客様向けの提案が平屋でしたし、若い方々は何の迷いもなく二階建ての家を選択されていました。

ところが最近は、多くの業者が平屋をアピールしているし、希望されるお客様も増えている。二階建ての家と比べてもコストは割高になるのにどうしてなんだろう?って疑問がずっとあったので、僕自身の認識を整理するために、平屋が増えている理由を考えてみました。

まずは、平屋のメリットとデメリットを整理してみます。

日々の暮らしでもっとも大きなメリットは階段の登り降りがないことでしょう。ワンフロアですべてを済ませることができる、ということは生活動線がシンプルになることですから、とにかく生活が楽になります。それと、もうひとつ大きなメリットとして自然との繋がりが家のあちこちで生まれます。土間、ウッドデッキ、中庭を設けることで暮らしの空間に樹々の緑と風と空を手にいれることができます。

構造的には、地震に強くなるとか外壁や窓の掃除が楽になったり、メンテナンス費用が安く済んだりと、目には見えない利点があります。

デメリットは、基礎と屋根の面積が増えますからその分、工事費用が上がります。想定で10%前後。ただ、平屋は階段や余分な廊下が減るという設計上のメリットもあるので、その部分はコストダウンになります。

あとは、土地の面積が二階建てよりも広く必要になります。これについては、地方に関して言えば土地の価格が下落していることで大きなデメリットにはなっていません。

とまあ、こんな感じです。メリットとデメリット、どちらが大きか?それは家を建てる方がご自身で考え、判断をしたほうがいいでしょう。

平屋,かなう家

IZANAGIの母体、かなう家で建てた平屋

暮らしの本質を考えた家づくりは平屋に行き着く。

昭和初期の日本は、大きな戦争もあって焼け野原からの復興となりました。僕たちの祖父祖母、そして親世代が歯を食いしばってがんばってくれたおかげで物質的な豊かさを実現をしました。その象徴として、マイホームを建てるわけですが、映画やドラマの影響もあったのか、2階建ての家=ステイタスになったのです。

日本家屋=平屋=ダサい。欧米型のライフスタイル=二階建て=素敵。

こんな、イメージが昭和→平成と受け継がれていたきのです。

その結果、新築マイホーム=二階建てが当たり前になり、平屋という選択肢が失われていた時代が長くつづきました。

ステイタスは社会的な評価の意味ですから、他者からの評価、つまり他者目線となります。ところが、時は流れパンデミックを経験し、ライフスタイルを見直す人たちが増えました。

そんな人たちは、暮らしの本質を考えるようになります。そうなると必然的に、自分たちの家を設計する段階で二階建て一択の価値観に疑問を持つようになりました。その結果が、平屋という選択肢です。

既存の価値観を疑い、暮らしの本質を自分で思考して、答えを導き出す人たちがコロナ禍に増えました。そして、さらに一歩奥へ進み、既存の工場量産型建材に疑問を持つ人々も増えており、その結果が国産木材+自然素材+平屋という家づくりが日本各地で広がっています。

既存の当たり前を疑い、自分で考える、確認する。

これこそが、よい家づくりをする基本的な姿勢であると考えます。僕たち提案する側は当然として、家をつくる側のお客様もしっかり考え、最後は体験、体感をしてご自身の感覚で決めていく、そんなプロセスが大事ですね。

ということで、まだまだ書き足りませんが、今日はこの辺で!

Kazuaki TANI

Kazuaki TANI

IZANAGI 企画・広報 / 奥武蔵の入り口に位置する高麗エリアで、次世代につながる心豊かな暮らしを模索しながら衣食住全般で快適性を追求している。

コメント

この記事へのコメントはありません。

このBLOGについて

「書いた本人が10年後に読んでも面白い」
をコンセプトにNO AIで書いています。

世界が大きな変革期を迎えているこの時代、より豊かにより幸福に生きるために、自分の感覚と深く思考することを大切に。

食、暮らし、家、旅、仕事、地域、日本、世界、地球そして心という内的宇宙をテーマに自由に伸びやかにキーボードを叩き、今この時をLOG(記録)していきます。

ブログを書いている人

窪田 純一

IZANAGI 代表 /「己の感覚で健全な世界を構築する」をモットーに身体と精神、魂と地球にとって調和がとれた未来を目指して仕事に励む。

最新のブログ
最新のお知らせ
  1. 本物の自然素材を探したら群馬ではなく鹿児島の山奥まで来てしまった件。

  2. 暑さにも電気代にも負けない家は、無垢材と漆喰がつくる♪

  3. 「家を建てる=性能重視」だけじゃない。“素材”から考える本当の安心とは?

  4. 群馬でも注文が増えている平屋がなぜ見直されたのか考察してみた。

  5. 不調の原因は“血”と“体温”?カラダの中からキレイになる簡単な方法って?

  6. 本物の快適さを追求すると「電磁波対策」が必須になると思うんです。

  7. 「健康になれる家」って本当にあるの?

  8. 日本の食べ物の質がもの凄く低下てしまったことについて思うこと。

  1. 健全な住環境を伝え広めていくIZANAGIのウェブサイトを公開しました。

  2. 飯塚町に「IZANAGI」の体験型モデルハウスをつくっています。

ブログを書いている人

自然素材の家

Kazuaki TANI

IZANAGI 企画・広報 / 奥武蔵の入り口に位置する高麗エリアで、次世代につながる心豊かな暮らしを模索しながら衣食住全般で快適性を追求している。

ご支援に感謝いたします

かなう家,太田市の注文住宅

野菜の絵の具,やさいいろ,マハラニオーガニック,安全な絵の具

民泊,キャンプ,焚き火

ページ上部へ戻る