2025年の夏は毎日、ひたすら暑いです。
冷蔵庫で冷やしている炭酸水はどんどん減っていき、Amazonでいつものやつを買い足そうと思ったらまさかの品切れ。仕方なく別のものを探して注文をした僕(@kazuaki_TANI)です。
天気予報を見るのもうんざりですが、この記事を書いている7/27から8/12まで雨マークはいっさい無く、台風9号が太平洋を北上しながら小笠原諸島に近づいてはいますが、日本列島には近づく様子はありせん。とはいえ、夜は例年よりも若干涼しくエアコンをかけずとも窓を開けていれば安眠できています。
世の中を見渡しますと、アメリカとの相互関税率が15%に落ち着いたようです。
当初は25%と予想されていましたが、5500億ドル(87兆円)規模の投資をアメリカに対してコミットメントすることを日本側が飲んだ結果です。表向きには、台湾の半導体メーカー(TSMCなど)がアメリカ国内に新工場を建てる際の資金支援、米国内の再生可能エネルギー開発、米国企業との共同研究(AI・医療・先端素材)、アメリカへの直接投資(M&Aや新規拠点)ということになっています。
その他、コメ市場の開放を受け入れ、さらに87兆円の投資によって得られた利益の90%をアメリカが、残りを日本に分配されるという内容です。お金を出した日本が1割でもらった米国は9割となれば、もはや投資ではなく献上です。アメリカのラトニック商務長官も「米国にとって極めて有利な条件」であったとコメントを出しているほどです。
とりあえずは、15%になったことで表面上は貿易摩擦は解消になったと思われますが、年間の国家予算に近いお金を、日本国内が疲弊しきっているにもかかわらず、アメリカ政府とアメリカ国民に寄付したのと同じ意味となります。
この財源は、僕たちが払っている税金です。
というわけで、僕たちの暮らしへの影響を考えると、まずはアメリカ産の米が大量に入って来るのは確実ですから、安さを売りにしている外食チェーンやコンビニなどでは普通に使うようになると予想します。スーパーでも当たり前のように棚に並ぶようになるでしょう。
アメリカ米を食べるかどうかはその人次第となりますが、米不足からの価格高騰ということで、相当な量が輸入されて売れるのではないかと見込んでいます。
話題が米不足に移ると、これまた長くなるので本題に入ります!
本物の自然素材を探したら鹿児島に行き着いた。

関西出張の朝、姫路城ウォーキング
2024年の6月のことでした。
IZANAGI代表の窪田さん、かなう家の重松部長と三人で関西へ行ってきました。自然素材で本氣の家づくりをしている越木岩大和住宅の細川社長のお話を伺いに行ったのです。ものすごく面白い話を聞くことができ刺激にもなり、未来の道筋を示す旅となったのです。
その後、自分たちの計画(IZANAGI)を具体的に進める段階になりました。どの部材を探そう?となった時に、僕の友人たちが家を建てたり、リノベーションをする時にこぞって使っていた杉の床材があって、まずはそこからスタートしよう!ということになったのです。
それが、住宅の自然素材と言って知らない人はいないであろう愛工房の杉材です。
以前から一緒にインドを旅をしていた知人が、たまたま愛工房の伊藤社長の講演を企画していたこともあり、お願いをしたら快くご縁を結んでくれました。伊藤社長は僕たちの親世代のご年齢ながら、とにかく元氣でパワフル、そして自分の役割を果たすために、人生を賭けて仕事に取り組んでおられます。
その姿勢と想いに大きな感銘を受けた僕たちは、何度も愛工房まで通い、自然素材の本質について学ばせていただき、そして床材を使わせていただくことになったのです。

姫路の帰りに立ち寄った淡路島にある伊弉諾神宮
時間は流れ、2024年の秋になり、今度は別の友人から「素晴らしい自然素材がある」という話を聞きました。その友人は、2010年にインドの大聖者サイババに会いに行った時に一緒に旅をした仲間で、それ以降何度もインドやフィリピン、国内の聖地を一緒に旅をしている電磁波対策の専門家であり健康コンサルティング株式会社代表の猿田さんです。
かれこれ15年前からのご縁ということで、その自然素材をさっそくウェブサイトで調べてみました。それがIZANAGIの主要建材として使っている音響熟成木材と幻の漆喰です。
ところが、この自然素材はこの会社と取引があって信用された業者さんの紹介が無いと取引ができない、そんなルールがあったのです。さすがに今まで聞いたこともない九州の建材業者とのつながりもなく、今回は縁がなかったのかな…
と諦めかけたある日のこと….
近所に住んでいる友人とお茶をしながら、すごい建材を作っている会社が九州にあって、取引がある業者の紹介がないとダメなんだよねぇ、という話題を出すと、開口一番に「ウチと取引あるじゃん、その会社」と言ってきたのです。
詳しく聞いてみると「絵の具を使ってもらっている業者さん」との答えが返ってきたのです。友人は、インドに移住した時に起業して、無農薬野菜から抽出した色で、子どもが誤って口に入れたり舐めてしまっても安全な絵の具「やさいいろ」を開発、製造、販売していました。その絵の具を、九州の自然素材の業者さんがイベントで定期的に使ってくれており、その担当さんがものすごくいい人だ。
そんな話の顛末でした。ちなみに、僕自身もMaharanee Organicのウェブディレクターを務めておりまして、かなり近い形で九州の業者さんとご縁があったのです。
これでいっきに道が開けました!
さっそく友人にお願いして担当さんに連絡をとってもらい、鹿児島にある工場とモデルハウスを見学に行かせていただくことになったのが2024年9月のことでした。

鹿児島のカフェで食べたオーガニック野菜のカレー
11月下旬、鹿児島への視察一回目、それは驚きと感動の連続でした。
この日、わざわざ福岡の本社から鹿児島の山奥まではるばる車でやってきて、案内をしてくださった浦上会長さんのお話は、愛工房の伊藤社長と同じように人生を賭けてこの仕事をされてきた重みと説得力がありました。
今回の視察を細かいところまで調整していただいた担当の石沢さんも、誠実に自社の製品を愛し、自然な説明ができる素晴らしい方でした。
そして、霧島連峰を望む山の上にある工場に併設されたモデルハウスで体験宿泊をさせていただいた夜、満天の星を眺めに外にでると、森の中からクラシック音楽が聴こえてきたのです。
音楽で木材を熟成乾燥させている工場から聴こえる音色でした。この時の感動は生涯忘れることはないでしょう。そして僕たちは、ご縁を伝ってやって来た鹿児島県の山奥で、美味しい芋焼酎を飲みながら将来を語り合ったのでした。
いずれは群馬県産の杉材で自然素材を作りたい。
IZANAGIの家づくりは本物の自然素材にこだわっていますが、地球環境まで考慮しますと「地産地消」に行き着きます。家も食べ物も可能な限り、地元で生産して地元で消費する。
燃料を消費する輸送コストを削減できるし、食べ物ならより新鮮なうちに食べることができ、建材もその土地、その気候にあっているため耐久性も上がるでしょう。そして何といっても地域経済が活性化します。
幸いなことに群馬県には広大な山々があります。
しかし、現在のところ林業はとても厳しい状況にあって、人手不足と安価な輸入木材によって商売としてかなり難しいのが現状で、産業としては先細りが現状です。群馬県すぐ隣、埼玉の南西部では「西川材」というブランドで木材を供給し、質のいい国産材として有名ですが、それでも極一部でしか使われていません。
第二次世界大戦の時、アメリカ軍の無差別空爆によって焼け野原になってしまった日本の街を復興するためには莫大な量の木材が必要でした。そして、どこもかしこもスギを植えたおかげで、昭和中期には多くの人が家を持つことができました。しかし、大量生産と大量消費による経済至上主義と、安価な輸入材によって日本の林業は壊滅状態です。
おまけとして春先は多くの人が花粉症に苦しむようになってしまいました。
まるで、冒頭に書いた関税合意と87兆円の投資とかぶるような出来事だと思います。国産材が住宅業界で生き残るには、相当な努力と変革が必要となるでしょう。(*木材の自給率も40%ほどです)
だからこそ、挑戦する価値があると思っています。
ということで、まだまだ書きたりませんが、今日のところはこの辺で!
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